男のレイン・コート 2

ここで、一つだけ言い添えておきたいのは、両者の細部の相違について。


これは、結局思想の相違ということであって、どちらが優れていてどちらが格が上かなどといった話とは、ほとんど関係がないということです。


実際、どちらも相応に優れているわけで、これに甲乙はつけがたいですね。


すでにご存知かもしれませんが、前者の「21型」は、かのキッチナー元帥の愛用になったもの。


後者の「G9型」は、あのウィンストン・チャーチルの愛用になったものです。


前者はまた「蛮カラ風」をなんとなく感じさせるものであり、後者は「粋好み」をなんとなく感じさせるものです。


さらに前者をジーンズにたとえれば、かの「リーヴァイス」のファイヴ・ポケット・ジーンズということになり、後者はたぶん「リー」のそれということになるでしょう。


両者の比較はしたがって、よし悪しの問題というよりは、ほとんど好き嫌いの問題となるわけで、主観に属する問題となるわけです。


私がトレンチ・コートというものに初めて意識的な関心を向けるようになったのは、たしかジャン・ギャバン主演のフランス製ギャング映画、『筋金を入れろ』(1955年)あたりからではなかったかと思います。


・・・その中で、初老のジャン・ギャバンが、フランネルかなにかのスーツの上に、いかにも着古した、といった風なトレンチ・コートを無造作に着て登場するのですが、その着こなしがあまりに見事だったのです。


それで、ずいぶん前に観た映画にもかかわらず、私はいまだによく憶えているのです。

男のレイン・コート

男のレイン・コートには、大別して2つの典型的なスタイルがあります。


1つはシングルで、かくしボタン式になった、ラグラン袖のレイン・コート(これをバルカラー・コートとかステンカラー・コートとか呼んでいます)。


もう1つはダブル・ブレストで、総ベルトの付いた、いわゆるトレンチ・コートがそれです。


好みの問題もあるのでなんともいえませんが、例えばハンフリー・ボガートのようなキャラクターーハードボイルドなタフガイ・タイプのセンを狙うなら、やはり後者のトレンチ・コートということになるでしょう。


ご承知の通り、現在市場には、いろんな形や素材のトレンチ・コートが豊富に出回っています。


そうした中にあって、真に投資に値するトレンチは、たぶん2つしかないでしょう。


それはバーバリー社の「21型」と、アクアスキュータム社の「G9型」であり、いずれも両社のオリジナル型となったものです。


この両社のトレンチ・コートの細部には、その当初からそれぞれ微妙な違いが見受けられ、それがそのまま双方の特色を示すものにもなっているのです。


もっとも、その現物をご覧になれば一目瞭然のことなので、なにもわざわざ説明する必要もないのですが。

アイビーの先祖はブリティッシュ 2

アメリカン・メンズ・ファッションが、英国からいただいてしまったものが、もう1つあります。


それが、ブレザー。


これもヴィクトリア朝の頃、レガッタやクリケットの見物にブレザーを着ることが流行しだしたことからといいます。


ちなみにブレザーが一般化するのは第一次大戦後。


このブレザーを、シングル3つボタン段返り、中ーつ掛けのファッション・スタイルとして定着させてしまったのです。


実行したのは、ニューヨークのメンズブティック、「ブルックス・ブラザーズ」で、アイビー・スタイルの本家として知られています。


これらのアイビー、3つボタンであることから襟元のVゾーンが、2つボタンのものより当然、狭くなります。


ちょっとお腹の出た中年者には中1つ掛けボタンがきつくなります。


しかし、冒頭であげたオールド・アイビーたちは、このむずかしさをはねのけて、それぞれに着こなしを楽しんでいるのです。


もっとも、年をとってからのアイビーは、若々しく見えるという利点もあります。


40代、50代で紺のブレザーに金ボタンを光らせ、ズボンはグレーフラノで着こなすと、きりっとして見えるものです。


しかも、所属するテこスクラブやヨットクラブ、あるいは、出身校のクラブエンブレムなどを胸につけて集まったりすると、トラディショナルな気分にさせてくれるものです。


ただし、これは、オフのときのスタイルで、ネクタイを締めようともカジュアルの領域。


ビジネスの場には、やはりウーステッドのスーツで臨みたいものですね。


とくにエグゼクティブともなれば、だんぜんスリーピースといきたいものです。

アイビーの先祖はブリティッシュ

年輩のエグゼクティブでアメリカン・スタイル、つまりアイビーしか着ないという人がいます。


若い頃に、留学生としてアメリカへ渡り、学んだ人に多いようですね。


すっかりアメリカンが気に入って、ブリティッシュにもフレンチにも興味がなく、ましてやイタリアンなどお呼びでないといった人たちです。


このアイビーの信奉者たちの中には昔の「VAN」、「JUN」といったメイド・イン・ジャパンのアイビーで育った人たちもいますが、彼らの多くは、年をとるとともに、ブリティッシュにもイタリアンにも手を出しています。


アイビー・ルックの本格的な登場は、戦後。


なんといっても第二次世界大戦で戦勝国になった強いアメリカが歴然と現れているメンズ・ラインです。


まず、最初は、ニューヨークのマジソン街で広告マンの間に流行りました。


このアイビーの特徴は、シングル3つボタン段返り、ナチュラル・ショルダー、ストレート・シルエット。


アイビー・ルックのもとはといえば、英国のヴィクトリア朝時代のレクリエーションの服に端を発するものだといいます。


つまり、レジャー服をビジネスウエアとして、合理的にアレンジしてみせたところが、合理的な国、アメリカならではの発想でしょう。

アメリカの一流メンズブランド 3

1862年には、後継者のバトリック・マーフィーが、世界の一流品が集まるニューヨークの五番街に本店を移します。


こうして、アメリカが全世界に誇ることができるプレステージ・ブランドとしての確固たる地位を築きあげました。


歴代のアメリカ大統領が国賓へ贈る商品"プレジデント・ギフト・アイテム"にも選ばれています。


この名声をもとに、第二次大戦後は、皮革製品だけでなく、紳士用品からメンズ・ウェアへ進出しました。


マーク・クロス社の紳士服に使われる素材の羊毛は、オーストラリアのレジャートン牧場で飼育されている1万1000頭の羊の中から、厳選された200頭のウールを使っています。


カシミヤは、中国、内蒙古のセキバンタイソンの村で産出されるもののみといった具合であくまで本物志向にこだわっています。


縫製、仕上げは、専門工場をもち、ヨーロッパの最新技術を導入した一貫生産を行なっています。


スタイリングは、アイビー中心のニューヨーク・ファッションの中にあって、プリティッシュ・テイストを強く主張しています。


しかし、ヨーロピアン・コンチネンタルのシンプル・エレガンスもあわせ持っているのです。


シャツも、高級エジプト綿を使ったオリジナル・ハイ・クオリティの「フィンクス」を開発するなど、すべてに"本物志向"が徹底しています。


アメリカの一流メンズブランド 2

アメリカの一流メンズブランド、マーク・クロス。


ロンドンで高級馬具用品店を開いていたヘンリー・クロスは、アメリカ市場に大いなる野望と限りない可能性を見いだし、1845年、息子のマークを連れて渡米。


当時もっとも文化的な都市ボストンで、高級馬具店を開き、息子の名「マーク・クロス」を店名にしました。


しばらくして、アメリカではゴールドラッシュが起こり、西部へ向かう東部のエスタブリッシュメントたちは、丈夫ですぐれた馬具と旅行用品を求めました。


これに応えたのがマーク・クロスの商品だったのです。


マーク・クロス社では、高いクオリティを維持するために、厳選を重ねた素材だけを使っています。


部分的に使うベビーカーフは、ヨーロッパのオークションでせり落とされた最高級品しか採用しません。


裁断から縫製にいたるまで、すべて手づくり、頑固なまでのこだわりとクラフトマンシップに貫かれています。

アメリカの一流メンズブランド

アメリカの一流メンズブランド、C.F.ハサウェイ。


チャールズ・フランシス・ハサウェイによってシャツ・メーカーとして創立、150有余年の歴史をもちます。


それをべースに、シャツだけでなく、メンズファッションをトータルに展開させているのが、「C.F.ハサウェイ」です。


アメリカの感性と、イタリアの技術が最新のクオリティを実現したと評価が高いブランド。


国際化社会の中で自分を表現する男たちのための、インターナショナル・テイストをコンセプトに、着やすさ、動きやすさなどの合理的機能性を追求しています。


身体に快くなじみ、着ていることを忘れてしまう軽やかな感触は、イタリアの伝統的紳士服づくりの仕立て技術が投入されているからで、本物志向の人々に満足感を与えています。


現地工場での贅沢な素材選びと優れた裁断テクニック、緻密な縫製プロセスが高品質を支え、日本のマーケットにマッチするよう、しかも着る人の体格を考えたサイズなど、きめ細かさと細部にわたる仕立ての気配りもあります。


ビジネススーツからバカンスなどのカジュアルウエアまで、新しい時代のエグゼクティブのファッションスタイルを提案しています。

キシリトールブーム

コンビニのレジ前にはガムが並べられていることが多いですよね。

今、見渡すと『ギシリトール』入りがウケているようで、緑色の「X」の文字が目に飛び込んできます。

血糖値を上げず、歯垢を作らない『キシリトール』の人気は高いですが、この商品名は登録されており、ロッテしか使用できません。

同社は平成9年6月、ロッテ「キシリトール粒14粒入(ライムミント味)」を発売し製品化した先駆け。

平成6年頃から消費者の砂糖離れを受けて、シュガーレスガム製品が相次いで投入され、シェアが15%ほどあったという土壌にようやく花が咲いたようです。

今年も各社からキシリトール入りのガムが相次いで発売されています。

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シュガーレスガム

シュガーレスガムは欧米に比べて、なかなか定着しにくい商品といわれていました。

国内の菓子メーカーはシュガーレスガム分野で参入・撤退を繰り返してきたのです。

ところがロッテの「ブルーベリーシュガーレス」「フラボノシュガーレス」の2製品は販売地区が限られていた平成6年度でも、合わせて50億円の売上げを達成。

人気の理由は味の良さ。

甘味料はこれまで変遷を経てきましたが、マルチトールなら砂糖使用のガムに比べて味が劣らないといいます。

ロッテのシュガーレスガムへの挑戦は、46年に始まりました。

業界で初めて「シュガーレスガム」と銘打って板ガムを発売しましたが、タイミングが早すぎたのか全く売れずに撤退。

58年にもマルチトールを使った板ガム「ビューティーデント」で再挑戦しますが、既にワーナー・ランバートの「トライデント」が市場に浸透しており、撤退を余儀なくされました。

「たび重なる失敗から社内ではもはやシュガーレスにかける熱は冷め切っていた」(ロッテ広報室)

もう一度挑戦しようとの機運が生まれたのは、マルチトールを使って糖衣状の粒ガムをつくる技術が開発されたのがきっかけです。

このころ、ガム市場の中でシュガーレス製品が占める割合は15%程度に上昇していました。

ファッション性のあるスウィーティーガム

マンゴスチンの次はスウィーティーです。

ロッテは11月に柑橘系果実の「スウィーティー」ガムを発売しました。

スウィーティーはグレープフルーツとボメロ(ボンタン)を掛け合わせた新種の果物で、日本でもじわじわと知名度が上がってきている果物です。

一風変わったフルーツ味の板ガムの投入で、市場を活性化させたい考えでした。

スウィーティーはグレープフルーツと比べて皮が緑色で厚みがあり、種はありません。

90年頃から日本にも輸入・販売されるようになりました。

「スウィーティーガム」ではスウィーティーの特徴である、ほどよい酸味とさわやかな香りを再現したといいます。

話題性、新味のあるスウィーティーの味で女子中高生を中心とした若者層に売り込み、初年度30億円の売上げを目指していました。

「ファッション性というキーワードにうまくのせたのがスウィーティーなんです。

グレープフルーツの仲間なんですが、単にグレープフルーツだけでは市場に受け入れられなかったと思います。

『あれ、そういえばなんなの?』という新しさがないと・・・。

フルーツガムの場合は希少性がないとだめなんです。

『いちごガム』なんていっても八百屋さんの方へ行って本物を買ってくればいいわけですから」(ロッテ広報室)

グレープフルーツの仲間のスウィーティーはアメリカ原産ですが、アメリカではなかなか売れなく、イスラエルに行って、名前をスウィーティーと変えてヒットしたといいます。

とにかくフルーツガムは味の希少性、ファッション性が大事。

日本のなしやりんごは確かにおいしいですが、それをフレーバーとして再現してガムにして売っても、手軽に手に入る果物を果たして買うのか疑問が残るといいます。

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